絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

勝地林道の今昔

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勝地林道の今昔

平成7年10月号

画像の説明

 県道伊賀青山線の勝地中央から右折して丸血橋をわたり約300m行くと湯之口橋がある。ここが勝地林道の起点で、権現川の清流に沿う延長約6000mの林道が延びる。

 この道はまた、古くから奥山権現参詣道として、善男善女の祈りの道でもあった。江戸末期から明治にかけて、信者が建てた一丁毎の丁石があったが、道路改修で散逸し現在は18基のみである。

 受益面積約800haの森林は、大部分人工林の杉桧である。特に、この谷の桧は、市場でも評判がよく「権現谷の桧」として高い値が付く。

 昭和3年に旧上津村が一部失業対策事業として改修し、大部分は昭和26年から6年の歳月をかけて、民有林開発事業として国・県の助成を得て改修された。当時、県林務課から、受益面積、林相、延長等から、伊賀地方一番の林道と評価された。

 永年土道であった林道が、昭和53年から5ヵ年がかりで、山林所有者の浄財と県・町の補助を仰いで舗装が完成した。

 林道の終点に、昨年三重県知事名で、“ここは「公益的機能の高い森林」です。この区域の森林は、地域の生活保全形成に大きな役割を果たしています。”の大きな標識が建てられた。

 徒歩で2時間余かかった林道が、今車で20分に短縮された。昔の林道を、過酷な山仕事に従事した先人の労苦と、時の流れを思うと、今昔の感を禁じえない。




平成7年目次
173.街道いま、むかし 国見~高尾への道 平成7年1月号
174.青山高原 田代(たしろ)の今昔 平成7年2月号
175.福川地区の産土(うぶすな)神 八柱(やはしら)神社 平成7年3月号
176.二代目の阿保駅 近鉄・青山町駅の今昔 平成7年4月号
177.広域農道「千方(ちかた)橋」の完成 平成7年5月号
178.青山高原三角点 平成7年6月号
179.六郎別当(ろくろうべっとう) 平成7年7月号
180.近鉄・青山町駅付近 遺跡の発掘調査 平成7年8月号
181.兼好法師の恋ざんげ 平成7年9月号
182.勝地林道の今昔 平成7年10月号
183.諸木の産土(うぶすな)神 鹿島様 平成7年11月号
184.幻でなかった古塁砦の跡 平成7年12月号

目次平成8年

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