原型どおりに新築復元された老川如来の山門
原型どおりに新築復元された老川如来の山門
昭和63年5月号
日本に三体しか無いといわれる秘仏、阿弥陀如来さんをまつる老川の寿陽山極楽寺に、木の香りも新しい山門が、昨年秋に完成いたしました。
この極楽寺は、弘安6年(1283)開山といわれるほど由緒ある古いお寺ですが、現在の堂宇は享保4年(1719)山門とともに建てられたと伝えられていますが、260年も経て老朽が進んだため、新築されたものです。
解体に当たっては、1本1本、原寸を入念に検べ、原型のまま復元されています。白い塀も板張りも凡て建立の当時を再現しています。
けやきとひのきの銘木をふんだんに使った二層造りで、上層は鎌倉期風の鐘楼になっており、梵鏡(ぼんきょう)が納められています。
この鐘は過ぎし太平洋戦争に鉄材として徴発され消失しましたが、昭和29年、広く浄財を募り再鋳されたもので、世の煩惱を払う平和の鐘として生まれ変わりました。
真新しい山門には、創建当時の大きな「寿陽山」の山号額がそのまま納められ、古刹の威厳を保っています。
昭和63年目次
89.ゴルフ場の中に珍しい高尾・古田の古城跡 昭和63年1月号
90.勝福寺の五智如来 昭和63年2月号
91.霧生の八幡さん 昭和63年3月号
92.信仰と芸術の調和 安養寺の竜の棟瓦 昭和63年4月号
93.原型どおりに新築復元された老川如来の山門 昭和63年5月号
94.茶丸稲荷さん 昭和63年6月号
95.諸木の安楽寺 昭和63年7月号
96.桃山時代の華麗な建造物 大村神社の宝殿 昭和63年8月号
97.禅寺の山門に建つ 不許葷(くん)酒の碑 昭和63年9月号
98.滝仙寺(りゅうせんじ)の文化財 昭和63年10月号
99.霧生村内検帳 昭和63年11月号
100.日本三奇鐘の一つ 大村神社の虫食鐘 昭和63年12月号