絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

江戸時代初期の一里塚 千塚さん

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江戸時代初期の一里塚 千塚さん

昭和62年4月号

 正保3年(1646)伊賀国絵図(写は上野市立図書館蔵)によれば、江戸時代初期の参宮街道は、岡田から阿保までの間に三度木津川を渡る。最後は今の大村橋付近で渡河し、神社の森の裾から川の南側を通って阿保の宿へ入るが、宿の入口の街道両側に一里塚の標示がある。一里塚とは、江戸初期に度量衡の徹底と街道の整備のため、一里(4km)ごとに、道の両側に道路標として設けた塚である。

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 阿保の青山郵便局の近くの桶本、畑中両家の間の小道を東へ入ってすぐの道端の区有地に、高さ60cmの石積みで、約30㎡の「千塚さん」という塚があって、大神宮をまつる小祠が建っている。ここには樹齢300年近い榎(俗称「よのみ」)の大樹があったが、戦前に枯死した。また、道の向い側にも同じ大樹があり、戦後に伐採された。これから考察すると、この小道は旧参宮街道の入口であり、この塚は一対の一里塚の片方の跡に相違ないものと推理され、町の近世史を知る上の貴重な史跡と思われる。

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 小祠内の石神には、中央に「大神宮」、その下に「千日参(塚?)」、向って右側に「寛永二年(1849)正月」の刻字があり、街道が今の阿保橋付近に変更後も、神宮崇敬と千日参りの信仰(千日の間毎日神仏に参詣すること。特定の日に1日参詣すれば、千日分の功徳があったともいう)の象徴として建立されたもので、大切に維持保存したいものである。




昭和62年目次
77.いまも残る老川如来への道 昭和62年1月号
78.青山のお大師さん 昭和62年2月号
79.江戸時代から伝わる諸木のドンド 昭和62年3月号
80.江戸時代初期の一里塚 千塚さん 昭和62年4月号
81.磨崖仏だった岩鼻(いわっぱな)地蔵 昭和62年5月号
82.瀧の権現さん 昭和62年6月号
83.社日(しゃにち)さん 昭和62年7月号
84.神宮崇敬の象徴参宮街道筋の石造常夜灯 昭和62年8月号
85.珍しい石造りの牛頭天王の社 昭和62年9月号
86.奥山権現 昭和62年10月号
87.羽柴砦 昭和62年11月号
88.町内で最も古い石塔 岡本家の十三重塔 昭和62年12月号

目次昭和63年

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