特別天然記念物オオサンショウウオ
特別天然記念物オオサンショウウオ
平成4年4月号
町公民館のロビーのガラス張り展示棚の2段目中ほどに、体長90cmで頭でっかち、尾が長く4本あしを開き、腹ばいになったグロテスクな動物の骨格(実物)が展示されているが、これは当町産特別天然記念物オオサンショウウオの骨格標本である。

思い返すと、去る昭和61年10月23日伊勢路地内の国道165号線沿いで、側溝へ不法に投棄された産業廃棄物が青山川に流れ込み、下流4kmにわたって、魚が死に、オオサンショウウオも無残にも46尾が死滅する被害を受けた。
町と町教育委員会は人に対する策を含め被害を最小限に止める努力をしたので、一応危険性は去り、その後投棄者もつかまった。教育委員会は。京都大学教養部生物学教室の松井先生を中心に、死体を通じての調査を依頼し、調査報告書と、この標本が完成したので、展示したのである。
オオサンショウウオは別名ハンザキともいい、日本独特の地球上最大の両生類で、国の特別天然記念物に指定されている。青山町内では現在まで、木津川の北山より上流、青山川上流伊勢路、柏尾川上流柏尾・奥鹿野、前深瀬川上流高尾などで発見されたそうで、他の川にも上流には相当すんでいると思われる。世界でも珍しい動物なので、深い理解を持ち、捕らえたり有害物を不法投棄しないようにお願いする。
平成4年目次
137.高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡 平成4年1月号
138.腰山の氏神 飛龍神社 平成4年2月号
139.善福寺 平成4年3月号
140.特別天然記念物オオサンショウウオ 平成4年4月号
141.珍しい観音寺の石の地蔵堂 平成4年5月号
142.「敬叟禅師産塚(けいそうぜんじうぶづか)」 平成4年6月号
143.腰山の愛宕講 平成4年7月号
144.安保氏の屋敷跡か 桐ヶ谷城跡 平成4年8月号
145.血首の井戸 平成4年9月号
146.青山地蔵 平成4年10月号
147.阿弥陀さまとお花畑 平成4年11月号
148.経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所 平成4年12月号