絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

珍しい観音寺の石の地蔵堂

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珍しい観音寺の石の地蔵堂

平成4年5月号

 ♪石の地蔵さんの村はずれ♪と歌に唱われるように、青山町には新旧とりまぜて、多くの石地蔵さんが散在している。

 高尾の観音寺の共同墓地の奥の上段に珍しい石室の地蔵が見られる。

 どっしりとした墓石の上に直径15cmほどの石柱が4本建ち、その上に卍字を刻んだ笠石が置かれ、石の堂の中に地蔵が安置されている。

画像の説明

 少し磨耗して判読し難いが、右の柱には「南無観音大菩薩」。左の柱には「南無地蔵大菩薩」と刻まれている。地蔵の高さは50cm余。裏の柱に「文□年□未年」「七月吉◯日」と判読されるが□印は殆ど判らない。前後を歴史年表から「文政6年癸未年」と推定してみると(1823年)であるから約170年前の建立であろうか、墓石には寄進者か世話役と見られる8人の名前が刻まれているが、摩耗のため殆ど判読できない。

 この寺の「縁起記」によれば、寛文2年(1662年)開山されたが文政4年(1821年)に本堂を再建立したことが本陣裏に墨書の記録が残されている。これらを推察すれば、この珍しい石の地蔵堂は、本堂建立から2年の後、寺域を整え、墓地の中心に来世までの平穏幸福を祈って建てられたものであろうか。またこの背後の巨大な自然石に4つの仏像を刻んだ磨崖仏も見られ、興味深い。




平成4年目次
137.高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡 平成4年1月号
138.腰山の氏神 飛龍神社 平成4年2月号
139.善福寺 平成4年3月号
140.特別天然記念物オオサンショウウオ 平成4年4月号
141.珍しい観音寺の石の地蔵堂 平成4年5月号
142.「敬叟禅師産塚(けいそうぜんじうぶづか)」 平成4年6月号
143.腰山の愛宕講 平成4年7月号
144.安保氏の屋敷跡か 桐ヶ谷城跡 平成4年8月号
145.血首の井戸 平成4年9月号
146.青山地蔵 平成4年10月号
147.阿弥陀さまとお花畑 平成4年11月号
148.経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所 平成4年12月号

目次平成5年

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