絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

県指定天然記念物 奥山権現のブナ林

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県指定天然記念物 奥山権現のブナ林

平成2年9月号

 三交バス勝地停留所から右に折れ、権現川の清流に沿って勝地林道を約6km行くと“奥山権現さん”と親しまれる奥山愛宕神社に着く。杉、桧の美林が続く途中の林道は、四季折々、ハイキングを楽しむ人が絶えない。
 
 海抜640mの神域は、巨杉が天を衝き心洗われる思いがする。
 青山高原西斜面谷間に位置する約1.5haの神域には、樹齢150~300年、樹高30m、経30~80cmのブナが群生している。

画像の説明

 ブナは、ブナ科の落葉喬(きょう)木で、本州中部ブナ地帯の下限、1000mよりはるかに低い地点に原生しているここのブナ林は、おそらく本州におけるブナの再下限ではなかろうか。

 植物学上、貴重だということで昭和48年県の天然記念物に指定された。樹皮は灰色をおび、なめらかである。葉は楕円形で縁はやや波形、裏面葉脈上に毛があり、若葉には柔毛がある。4,5月頃開花し、10月頃長柄の先に堅果がたれさがる。何よりもブナ林は美しい水をはぐくむ優等林である。

 社叢(そう)に繁るブナの原生林は、四季それぞれに色をかえ、朱塗りの社殿との調和が美しい。このブナ林をぬって、青山高原展望台に通じる東海自然歩道は、野鳥の宝庫でもあり、森林浴を楽しむ人が多い。




平成2年目次
113.伊賀・伊勢の境 布引峠の今昔 平成2年1月号
114.伊賀の中山 平成2年2月号
115.諸木のふれあい広場 平成2年3月号
116.指形の道標が示す川上の大円寺 平成2年4月号
117.江戸の文化を今に伝える伊賀名句集 平成2年5月号
118.伊勢路の天王はん 平成2年6月号
119.諸木氏城跡 平成2年7月号
120.県指定文化財「たわらや」の看板類 平成2年8月号
121.県指定天然記念物 奥山権現のブナ林 平成2年9月号
122.名張の沃野(よくや)をうるおす新田水路 平成2年10月号 
123.弘法大師の三度栗 平成2年11月号
124.初代斎王の頓宮跡か照皇宮神明社(しょうこうぐうしんめいしゃ) 平成2年12月号

目次平成3年

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