絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

禅寺の山門に建つ 不許葷(くん)酒の碑

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禅寺の山門に建つ 不許葷(くん)酒の碑

昭和63年9月号

 禅宗のお寺の山門や入り口には、よく「不許葷酒入山門」という碑の建てられているのを見かけます。

画像の説明

 青山町でも、禅宗(曹洞宗)のお寺、久昌寺(奥鹿野)、安楽寺(諸木)、万松寺(高尾)、観音寺(高尾)、西明寺(高尾)の入り口に建てられています。

 いずれも、江戸中期の元禄、天保などの建立の銘が入っています。葷とは臭い野菜(にら、にんにく等)や酒(どぶろく、しょうちゅう)を持ち込んだりしてはならない。その戒壇石といわれています。

 禅宗のお寺は、もともと叢林とよばれ、飽食、飲酒などを絶ち、精進潔斎して座禅などに励む、人間修業の場であったといわれます。 

 いまでも、本山である永平寺や総持寺では、この戒律が守られ、厳しい修業が行われています。

 この碑の建てられた江戸時代は、この戒めは守られていたと思われますが、修業や座禅のときはともかく、かなり以前から酒のことを般若湯(はんにゃとう)とか言って、緩やかになる空文化していたと伝えられています。

 いまは、このような戒律は、ほとんど無くなり、この碑は殆ど忘れられた存在のように建っていますが、お詣りのときは昔を偲んで身も心も引き締めてお祈りしたいものです。




昭和63年目次
89.ゴルフ場の中に珍しい高尾・古田の古城跡 昭和63年1月号
90.勝福寺の五智如来 昭和63年2月号
91.霧生の八幡さん 昭和63年3月号
92.信仰と芸術の調和 安養寺の竜の棟瓦 昭和63年4月号
93.原型どおりに新築復元された老川如来の山門 昭和63年5月号
94.茶丸稲荷さん 昭和63年6月号
95.諸木の安楽寺 昭和63年7月号
96.桃山時代の華麗な建造物 大村神社の宝殿 昭和63年8月号
97.禅寺の山門に建つ 不許葷(くん)酒の碑 昭和63年9月号
98.滝仙寺(りゅうせんじ)の文化財 昭和63年10月号
99.霧生村内検帳 昭和63年11月号
100.日本三奇鐘の一つ 大村神社の虫食鐘 昭和63年12月号

目次昭和64年/平成元年

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