経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所
経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所
平成4年12月号
全国で消費する総エネルギーの約3分の1は電力だといわれます。川上の前深瀬川と川上川の合流点にある、中部電力発電所(完成当時は川上発電所と称したが、後に改称された)は、完成以来、青山町の電力供給源として、経済の発展と生活の向上に貢献をして来ましたが、近く川上ダムの建設に伴い湖底に沈もうとしています。
顧みるとこの発電所は。伊賀地域で4番目の水力発電所として、津電灯株式会社が清水組の工事請負で建設し、大正10年(1921)11月26日に完成しました。
発電用の水は種生の山立で川上川から、えん堤で取水し、左岸の山腹を縫う1085m(うち837mはトンネル)の水路で水槽に導き、落差70mを水圧鉄管で落下させて水車を回転させ、これに連結した出力400kwの発電機1台で発電を開始しました。建物は木造の本館と、今はないが本館の東に接続して赤煉瓦(れんが)造りの一段低い建物があり、また西側に独立した社宅があったが、無人化された昭和46年以後に取りこわされました。
最初は青山町全域は勿論、津方面へも送電していたそうです。
今日では需要量急増のため、逆に津方面から多量の送電を受けていることを思うと、当時の川上発電所の存在が、たいへん大きかったことが偲ばれます。
平成4年目次
137.高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡 平成4年1月号
138.腰山の氏神 飛龍神社 平成4年2月号
139.善福寺 平成4年3月号
140.特別天然記念物オオサンショウウオ 平成4年4月号
141.珍しい観音寺の石の地蔵堂 平成4年5月号
142.「敬叟禅師産塚(けいそうぜんじうぶづか)」 平成4年6月号
143.腰山の愛宕講 平成4年7月号
144.安保氏の屋敷跡か 桐ヶ谷城跡 平成4年8月号
145.血首の井戸 平成4年9月号
146.青山地蔵 平成4年10月号
147.阿弥陀さまとお花畑 平成4年11月号
148.経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所 平成4年12月号