絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

腰山の峯道(みねみち)

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腰山の峯道(みねみち)

平成8年10月号

 腰山から老川への如来道として春と秋の彼岸には沢山の人が歩いて通ったこの道も、今では山の木が落葉樹から針葉樹林に、道の環境も変化して老川までの道程の半分はケモノ道のようになっている。

画像の説明

 昭和10年頃に如来道に沿って農林道が新設されたが、境界までで老川への通り抜けはできなかった。戦後農業機械化が進み、老川との接続が念願となっていたが昨年開通した。

 腰山上出バス停から森田製作所の左側を田畑や杉林を縫うように、なだらかな坂道を1.4km登ると急に目の前が開けてくる。この右の丘の上に「大日如来」「馬頭観音」の刻んだ石仏が安置してある。そこから緩やかなくだり道。

 梅や桃、桜に始まり、すみれ、たんぽぽ、ささゆり、ネジバナ、桔梗、山ゆり、そして蝉(せみ)の声を聞きながら木陰を散策するとクワガタ、カブト虫、蛇に出会うことたびたび。春から秋にかけて我が世とばかり謳歌(おうか)する姿は何者にも変えられない程である。

 ここから約1km下ったところの辻から右が花木団地、左に少し歩くと老川の家々が見えてくる。このあたりの山の中に室町後期から戦国時代頃(1500~1570年)に築かれた砦跡がある(奥の谷城)。青山文化センターを左に見ながら右に曲がっていくと老川公民館前バス停のところに出る。爽やかな秋の一日、足にまかせて、ゆっくりと健康を確かめながら散策してみたい。全行程は約3kmである。




平成8年目次
185.笛吹の伝説と千方(ちかた)の四鬼窟(よつおにいわや) 平成8年1月号
186.山中半右ヱ門 本陣跡碑 平成8年2月号
187.最も代表的な古墳 羽根・狐塚古墳群 平成8年3月号
188.ロマンただよう桜峠の春 平成8年4月号
189.奥鹿野の菩提寺 保徳山久昌寺 平成8年5月号
190.霧生の鉱山跡 平成8年6月号
191.小さな磨崖仏(まがいぶつ)阿保の子安地蔵さん 平成8年7月号
192.老川の中世城館 若山氏城 平成8年8月号
193.権現谷の双つ渕(ふたつぶち) 平成8年9月号
194.腰山の峯道(みねみち) 平成8年10月号
195.朱の欄干と金色の擬宝珠 大村橋 平成8年11月号
196.矢生(やお)中学校の上高尾分校 平成8年12月号

目次平成9年

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