腰山の愛宕講
腰山の愛宕講
平成4年7月号
愛宕山と言えば京都市の北西に聳える愛宕山の山頂に火伏の神として信仰されている愛宕神社がある。
登山する麓の清滝から昔はケーブルカーがあったが今はない。登山口の茶店で杖をかりて急な坂道を登ること約2時間、汗に濡れながら大きな杉の木立をぬけて暫く行くと拝殿が見えてくる。火の神様として崇敬があり全国各地に散在する愛宕社の総本社で参拝する人も非常に多い。
腰山にも何時の頃に分祀されたかは不明であるが、飛龍神社の裏山の頂上附近に樹齢200年位の樫の木など数本が生いしげり、昼でも薄暗いところに安置されている小さな祠が腰山の愛宕さんである。
昔は年に一度その年の当番が京都の本社に参拝、一年の火の守りを祈願し御神符を受け各戸に配っていたが、何時の頃からか本社参拝を裏山の愛宕さんで済ませ当番の家でお籠もりをする。
これを愛宕講と呼び現在も行われている。当番は組で1人、4組あるので4人の当番がその年の3月24日の朝から愛宕さんの参道や祠の前を清掃、また講に加入している人はお籠もりをするまえに愛宕さんに参拝を済ませてから当番の家でのお籠もりに参加する。
腰山ではこの講の他にも神明講、行者講など昔ながらに行われている。
平成4年目次
137.高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡 平成4年1月号
138.腰山の氏神 飛龍神社 平成4年2月号
139.善福寺 平成4年3月号
140.特別天然記念物オオサンショウウオ 平成4年4月号
141.珍しい観音寺の石の地蔵堂 平成4年5月号
142.「敬叟禅師産塚(けいそうぜんじうぶづか)」 平成4年6月号
143.腰山の愛宕講 平成4年7月号
144.安保氏の屋敷跡か 桐ヶ谷城跡 平成4年8月号
145.血首の井戸 平成4年9月号
146.青山地蔵 平成4年10月号
147.阿弥陀さまとお花畑 平成4年11月号
148.経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所 平成4年12月号