諸木のふれあい広場
諸木のふれあい広場
平成2年3月号
数日前の大雪も、春の陽気を思わせる気温のおかげで黒い地肌を見せ始め、雀たちが、静かな広場を飛び交い餌を見つけては啄んでいる。山里でなければ見られない風景である。
諸木の少し高台にあるこの広場は、昔この土地に住んでいた人から奥鹿野区が買い受け所有していたが、諸木区が区民のための公園にするのに譲りうけ、昭和63年7月31日に『ふれあい広場』として開園したもの。
広さは約一反歩、周囲をフェンスで囲い、ゲートボールや子ども達がいろいろの遊びができるように、また一角には「ぶらんこ」や、大きな木を2つに割った形のベンチが数個備えてある。外側には、春ともなれば「桜」を主に草花が咲き乱れ、続いて「ツツジ」「さつき」それに「あじさい」などが花を付け、晩秋には「かえで」「なら」の葉が、冬には赤い花の「さざんか」と四季折々の風情をみせてくれるように植樹してある。
諸木も昔から相当栄えたところで、広場の近くには大きな銀杏の木のある安楽寺、古い型の狛犬のある鹿島神社、また向かいの山腹には中世の豪族の城跡(諸木氏城)がある。
広場はひっそりとしているが、土曜の午後や日曜・祝日には甲高い子どもの声や、ゲートボールを楽しむ老人の姿で賑わいを見せている。
平成2年目次
113.伊賀・伊勢の境 布引峠の今昔 平成2年1月号
114.伊賀の中山 平成2年2月号
115.諸木のふれあい広場 平成2年3月号
116.指形の道標が示す川上の大円寺 平成2年4月号
117.江戸の文化を今に伝える伊賀名句集 平成2年5月号
118.伊勢路の天王はん 平成2年6月号
119.諸木氏城跡 平成2年7月号
120.県指定文化財「たわらや」の看板類 平成2年8月号
121.県指定天然記念物 奥山権現のブナ林 平成2年9月号
122.名張の沃野(よくや)をうるおす新田水路 平成2年10月号
123.弘法大師の三度栗 平成2年11月号
124.初代斎王の頓宮跡か照皇宮神明社(しょうこうぐうしんめいしゃ) 平成2年12月号