絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

霧生の八幡さん

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霧生の八幡さん

昭和63年3月号

 朝の光を満身に受けながら、村全体を守るかのように霧生広刎(きりゅうひろはね)の森本さんの裏山に、八幡神社が鎮座している。そこには、小さな社と石の燈籠〈奉掛御神前村中宝永元年(1704年)〉そして、水舟〈奉納小場若中万延元年(1860年)〉がある。

画像の説明

 またもう一社広刎に鎮座している。霧生と高尾との境界に近い、一号塚の手前から左へ300m程行くと、大きな桧林の中に小さな石を積み上げて作った祠がある。これが沢の八幡さんである。

 昔はこの附近に集落があったが、何時の時代にかそれぞれの里に移動し、この八幡神社だけが残ったものであろう。地元の古老の話では、沢の八幡さんは近郷の善男善女に崇敬され。お祭りには境内で、草相撲が行われたり、門前では沢山の露店が並ぶなど、大変賑わったと伝えられる。境内から一段下がった所に、30cm程高く盛土をして相撲場としたと思われる所が今も残っている。

 この二社のお祭りは、毎年旧8月13・4日、祭典やお籠りも盛大に行われている。沢八幡神社に「明和7年(1770年)から現在までの祭事一切を詳しく記録した頭屋帳「霧生広刎小場沢八幡歳代記」と表記したものが残っており、時代の移り変りや物価の変動が、手に取るように見る事ができる貴重な資料である。

 二社ともに、今日もきれいに清掃されており、区内の人々の信仰を集めている。




昭和63年目次
89.ゴルフ場の中に珍しい高尾・古田の古城跡 昭和63年1月号
90.勝福寺の五智如来 昭和63年2月号
91.霧生の八幡さん 昭和63年3月号
92.信仰と芸術の調和 安養寺の竜の棟瓦 昭和63年4月号
93.原型どおりに新築復元された老川如来の山門 昭和63年5月号
94.茶丸稲荷さん 昭和63年6月号
95.諸木の安楽寺 昭和63年7月号
96.桃山時代の華麗な建造物 大村神社の宝殿 昭和63年8月号
97.禅寺の山門に建つ 不許葷(くん)酒の碑 昭和63年9月号
98.滝仙寺(りゅうせんじ)の文化財 昭和63年10月号
99.霧生村内検帳 昭和63年11月号
100.日本三奇鐘の一つ 大村神社の虫食鐘 昭和63年12月号

目次昭和64年/平成元年

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