絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

霧生村内検帳

文字サイズ:

霧生村内検帳

昭和63年11月号

「霧かすむ 霧生の宮の神さいて
      鳴く杜鵑(ほととぎす)声の寂しき」

 この古歌のように霧生に入ると、神社の森が見えてくる。お伊勢さんを思わせるような老樹がうっそうと繁り、木立の間から社殿が見え隠れする。

 「三国地志」に「阿保ヨリ此ニ遷座是ヨリ夏見へ遷座ナシ玉フト云亨禄元年戌子ノ上梁文アリ」とあるが、創始年代は不詳。享禄元年(1528年)と慶長13年(1608年)の棟札が町文化財に指定されているほか、多くの棟札が保存されている。

 指定以外の文化財で町内では貴重な資料と云われている「伊賀郡霧生村内検帳および新田畠内検帳」(ともに元禄10年(1697年)がある。

画像の説明

 内検帳とは、諸国の大名が領国内で随時行う検地により税金として取り立てるための元帳のことで、これが藩が決めた税率を乗じて得た額を年貢米として藩に納めた。率は一般に四公六民または五公五民(内検帳)に定められた額の4割~5割が税金)であったようです。

 霧生村内検帳は、一筆一筆の田畠について等級、面積、石高および所有者名まで非常に詳しく書いたものである。関ヶ原の戦いの後実権を握った徳川家康が実施した慶長や寛永・慶安の検地があるが、元禄3年(1690年)に検地条目が完成したと云われる元禄検地の後に書かれた霧生村内検帳は、当事を知るうえで貴重なもの、いつまでも残したいものである。




昭和63年目次
89.ゴルフ場の中に珍しい高尾・古田の古城跡 昭和63年1月号
90.勝福寺の五智如来 昭和63年2月号
91.霧生の八幡さん 昭和63年3月号
92.信仰と芸術の調和 安養寺の竜の棟瓦 昭和63年4月号
93.原型どおりに新築復元された老川如来の山門 昭和63年5月号
94.茶丸稲荷さん 昭和63年6月号
95.諸木の安楽寺 昭和63年7月号
96.桃山時代の華麗な建造物 大村神社の宝殿 昭和63年8月号
97.禅寺の山門に建つ 不許葷(くん)酒の碑 昭和63年9月号
98.滝仙寺(りゅうせんじ)の文化財 昭和63年10月号
99.霧生村内検帳 昭和63年11月号
100.日本三奇鐘の一つ 大村神社の虫食鐘 昭和63年12月号

目次昭和64年/平成元年

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional