絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

昔ながらの神事を続ける阿保東部大当講

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昔ながらの神事を続ける阿保東部大当講

昭和57年11月号

 青山町は一斉に神社の祭礼が近づいてきました。氏神様の祭礼に際し、氏子の全員又は一部が加入しユニークな神事を営み続けてきた「講」が町内にたくさんありますが、時代の流れで休止や簡略化により、名をとどめるに近いものもある中で、今も昔の行事をほとんどそのままに続けているものに、阿保東部の「大当講(おおとうこう)」があります。

 安政3年(1856)以後の記録しか保存されていないので、それ以前の詳しいことはわかりませんが、明治初年の講員30戸が今では18戸に減り、2戸一組で毎年頭屋を営むので9年ごとに当番が回ってきます。

 頭屋(とうや)では宵宮(よみや)の朝から傘付きの大提灯一対を建て、幕を張り、夕方から一人が御幣と酒樽を持ち、他の一人がお供えの鏡餅三重ね〔うち一組は鏡餅を中心に、木津川(石打川)で捕獲した生きた「はや」を串に刺し、大根を四角に切った台に立てたもの、皮のままの里芋、束し菜「いわしびらき」を、それぞれ「かわらけ(土器)」に盛って桧葉を敷いた三宝に並べる〕を収めた挟み箱を担って、氏神様へ参拝し、ご祈祷を受けます。

画像の説明

 祭礼当日には、講員全員が頭屋に集り、床に飾った神軸、御幣、お下がりのお供えを拝し、直来(なおらい)の酒気が適当に回った頃、表に出て、餅をつきます。

 餅つきは「つばき」の木でつくった千本杵(ぎね)で「めでためでたが三つ重なりて・・・・・・」の歌に調子を合わせて二臼つき、黄粉(きなこ)と小豆「あん」をまぶした手祝餅をつくり一同いただきます。




昭和57年目次
19.元旦の初歩きコース尼ケ岳登山 昭和57年1月号
20.商売繁盛と福徳の神青山恵比寿 昭和57年2月号
21.近代的な装いを見せる矢持橋界隈 昭和57年3月号
22.老川の地に創建された伊賀東照宮 昭和57年4月号
23.水車の水も引いた宮の淵井堰 昭和57年6月号
24.力強く生きることを教える羽根不動院 昭和57年7月号
25.下川原の恩人前川の祐年(ゆうねん)さん 昭和57年9月号
26.流されたご神体高尾の神明宮 昭和57年10月号
27.昔ながらの神事を続ける阿保東部大当講 昭和57年11月号
28.伊賀と伊勢を結ぶ『しおないの道』 昭和57年12月号

目次昭和58年

 

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