絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

川上の地蔵堂と菩薩立像

文字サイズ:

川上の地蔵堂と菩薩立像

平成3年1月号

 川上の中心部の県道青山美杉線の側に地蔵堂があります。大きな銀杏と桜の木が枝を拡げて由緒の深さを偲ばせています。

 この地蔵堂は「川上、中之寺」と呼ばれ、現在は大円寺の別寺とされていますが、昔は独立した寺院であったらしく、古い地蔵や墓石が並んでいます。

画像の説明

 この地蔵堂の中には、等身大の「木造地蔵菩薩」が安置されています。

 仏身161cmのクスノキの一木造り、柔和な顔立ち、極彩色に塗られて、六辺の蓮華台の上に立っています。頭部に円形の光背をいただき、荘重さを加えています。

 作風は平安時代にも見られていますが、幾度か修理が加えられているようで、当初の製作時代は確証されていませんが、貴重な地蔵菩薩立像として「町指定文化財」となっています。

 「伊乱記」によれば。この地蔵堂は兵火にかかり焼失したと伝えられており、そのときこの地蔵菩薩はどうして保存されたのか謎と思われます。

 地蔵堂はこの大きな立像を安置するのに相応しい大寺であったと推定されます。このすぐ上の山の頂上には、「川上出羽守砦跡」があり、その関連は興味深く感じられます。この地蔵堂は無住ですが、月一回読経が開かれています。




平成3年目次
125.川上の地蔵堂と菩薩立像 平成3年1月号
126.八柱神社の巨岩 平成3年2月号
127.霧生中山の道 平成3年3月号
128.天正の伊賀乱をしのぶ 小鴨(こがも)氏城跡 平成3年4月号
129.珍しい高尾の石室・石仏地蔵 平成3年5月号
130.妙楽地の秋葉さん 平成3年6月号
131.町指定文化財 天照寺の石造五輪塔 平成3年7月号
132.全国でも数少ない蔵王権現の石像 平成3年8月号
133.戦後開拓の歴史を刻む老ヶ野・古田・青山道路 平成3年9月号
134.奉供養 勧進橋の碑 平成3年10月号
135.霧生の鹿島神社 平成3年11月号
136.6,7世紀の代表的な墓 羽根・峯台(みねだい)一号古墳 平成3年12月号

目次平成4年

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional