絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

6,7世紀の代表的な墓 羽根・峯台(みねだい)一号古墳

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6,7世紀の代表的な墓 羽根・峯台(みねだい)一号古墳

平成3年12月号

 羽根には古墳が多い。青山町全域で100余基のうち34基が羽根にある。これらは、下後背(ごんせ)・峯台・間処(まどころ)・狐塚(きつねづか)など十ヶ所の古墳群に分かれ、いずれも6,7世紀頃築造の古墳時代後期の円墳で、富裕な氏族の族長や家族の墓と思われる。

 その中で最も代表的なものは、峯台一号墳である。旧羽根橋の南詰から不動道をたどり、山道の急坂を上り詰めて、左側の休耕田を越えた山すその「ひのき」林の奥にこの古い古墳がある。盛土(墳丘)の直径12m高さ2mで、大きな「ひのき」と赤松がはえ、西側に横穴式石室が開口していて、内部をのぞくことができる。

画像の説明

 石室は、左(北)側に袖(そで)を持つ片袖式で、玄室(げんしつ=棺を置く室)は奥行3.7m、幅1.95m、高さ2mあり、また羨道(せんどう=玄室への通路)は、盗掘とともに一部を破壊され、約2mを残すのみである。内部へ入ることは危険なので、やめた方がよいと思う。

 この古墳は、通称「行者さん」と呼ばれる如く、墳頂に役行者(えんのぎょうじゃ)と蔵王権現を併立に浮彫した、屋根付き総高約140cmの珍しい石仏を祭ってあって「宝永二乙酉8月11日」(1705)の年紀銘があり、「同3年」銘の石灯籠(どうろう)も建っている。

 1400年も大昔の先祖の墓を、江戸時代中期から、羽根の有志の方々が、修験道(しゅげんどう)・山岳信仰の聖地をして整備されていることは、奇特の至りである。




平成3年目次
125.川上の地蔵堂と菩薩立像 平成3年1月号
126.八柱神社の巨岩 平成3年2月号
127.霧生中山の道 平成3年3月号
128.天正の伊賀乱をしのぶ 小鴨(こがも)氏城跡 平成3年4月号
129.珍しい高尾の石室・石仏地蔵 平成3年5月号
130.妙楽地の秋葉さん 平成3年6月号
131.町指定文化財 天照寺の石造五輪塔 平成3年7月号
132.全国でも数少ない蔵王権現の石像 平成3年8月号
133.戦後開拓の歴史を刻む老ヶ野・古田・青山道路 平成3年9月号
134.奉供養 勧進橋の碑 平成3年10月号
135.霧生の鹿島神社 平成3年11月号
136.6,7世紀の代表的な墓 羽根・峯台(みねだい)一号古墳 平成3年12月号

目次平成4年

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