絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

江戸時代から伝わる諸木のドンド

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江戸時代から伝わる諸木のドンド

昭和62年3月号

 左義長(さぎちょう)といい小正月の火祭の行事である。平安時代の宮中や公家の正月の有名な行事で、民間では、おもに子どもたちの主役で行なわれ、その名称も「ドンド」とか「ドンド焼き」または「サギッチョ」などと呼ばれ、伊賀各地や町内でも各所で行っている。

 諸木では江戸時代の頃から現在まで延々と絶えることなく続き、今年も1月14日の夜8時から「どんど焼き」が始まった。

 区内の小中学生が主になって数日前から寺山で竹や木を伐り出して作った左義長(高さ役10m)に火を付けた。数日前から降り積もった雪の中で燃え上がる炎は、暗い夜に映えて高く舞い上がっていた。

画像の説明

 区内の人たちもそれぞれの松飾りを焼き、その火で餅を焼く子どもたちのなかでは正月の書初めを火に翳して高く舞い上がると、どっと歓声が上がっていた。

 この「どんど屋形」は、10m程の竹に三方から木で組み立て、周囲に藁や木竹の枝をつけ、更に倒れないように主軸に三方から縄で引き合うようにとめてある。「ドンド」の火に体をあてると若返るとか、餅を焼いて食べると病気をしないとか、正月の書初めを燃やして高く舞い上がると書が上達すると信じられ、この火は神聖なものとして、屋外で食物を調理し神に供え、村人も食べたものであろう。

 それがいつの時代からか複雑に変化して今日まで伝えられたものである。




昭和62年目次
77.いまも残る老川如来への道 昭和62年1月号
78.青山のお大師さん 昭和62年2月号
79.江戸時代から伝わる諸木のドンド 昭和62年3月号
80.江戸時代初期の一里塚 千塚さん 昭和62年4月号
81.磨崖仏だった岩鼻(いわっぱな)地蔵 昭和62年5月号
82.瀧の権現さん 昭和62年6月号
83.社日(しゃにち)さん 昭和62年7月号
84.神宮崇敬の象徴参宮街道筋の石造常夜灯 昭和62年8月号
85.珍しい石造りの牛頭天王の社 昭和62年9月号
86.奥山権現 昭和62年10月号
87.羽柴砦 昭和62年11月号
88.町内で最も古い石塔 岡本家の十三重塔 昭和62年12月号

目次昭和63年

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