最も代表的な古墳 羽根・狐塚古墳群
最も代表的な古墳 羽根・狐塚古墳群
平成8年3月号
羽根集落の東入口付近の前深瀬川にかかる東出橋東方約150mの近鉄送電線の鉄塔近くの竹やぶの上にある、1号墳を初めとする狐塚(きつねづか)古墳群は、峯台(みねだい)古墳群とともに、町内で最も代表的な6,7世紀の横穴式石室の円墳である。

1号墳は直径13m、高さ2m、羨道(せんどう=トンネル状の通路)は壊れているが、一部の石組が残って西に開口し、玄室(げんしつ=棺を置く室)は大部が残り、内部がよく見える。
一号墳から丘陵の尾根を南へ約100m登ると、大きな円墳が2基あって、手前が2号墳、その約10m南にあるのが3号墳である。2号墳は直径18m、高さ3m、石室は一部残り、西に開口しているが、崩れて内部はよくわからない。
3号墳は直径19m、高さ5mと最も大きく、盗掘されてはいるが、石室は羨道・玄室ともにほぼ完全に残って西に開口し、内部もよく見える。町内で最も標準的・代表的な円墳の一つで、永久に保存する価値と必要があると思う。
ここからさらに南へ約150m登り、深谷池が見えるところに新発見の4号墳がある。直径14m、高さ2mあり、石が数個露出しているが、崩れて内部は分からない。
狐塚という名称は、特に信仰などの習俗に関するものではなく、ここに狐がすみ着いていたからだという。
これらの遺跡によって、羽根は阿保とともに、町内で最も早く、千数百年の昔から開発され、多くの人が住んでいたことが証明される。
平成8年目次
185.笛吹の伝説と千方(ちかた)の四鬼窟(よつおにいわや) 平成8年1月号
186.山中半右ヱ門 本陣跡碑 平成8年2月号
187.最も代表的な古墳 羽根・狐塚古墳群 平成8年3月号
188.ロマンただよう桜峠の春 平成8年4月号
189.奥鹿野の菩提寺 保徳山久昌寺 平成8年5月号
190.霧生の鉱山跡 平成8年6月号
191.小さな磨崖仏(まがいぶつ)阿保の子安地蔵さん 平成8年7月号
192.老川の中世城館 若山氏城 平成8年8月号
193.権現谷の双つ渕(ふたつぶち) 平成8年9月号
194.腰山の峯道(みねみち) 平成8年10月号
195.朱の欄干と金色の擬宝珠 大村橋 平成8年11月号
196.矢生(やお)中学校の上高尾分校 平成8年12月号