絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

秋まつりの伝統行事獅子舞い

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秋まつりの伝統行事獅子舞い

昭和56年11月号

 秋の収穫が終れば、毎夜各地で獅子舞いの稽古が行われ、小気味よい太鼓の音が響きわたる。「もう今年も、まつりやなあ」

 この町に生れ住む誰もが、秋祭りの郷愁にひたる季節である。

 11月1日、CBCテレビと毎日テレビの「真珠の小箱」で、大村神社の獅子舞いが紹介されるが、獅子舞いとは、神社に奉納する獅子神楽(ししかぐら)のことで、伊賀の獅子舞いは、すべて上野市の一の宮(敢国神社)から教えられたものといわれる。同社の獅子神楽栞によると「起源は詳でないが、慶長年間藤堂公が上野城を治めるようになった頃から、鬼門守護の神として同宮を崇敬し、獅子神楽を奉納させていた。享保年間からは、悪魔払、厄除獅子として、伊賀の国中を巡奉させることになった」と説明されている。

 青山町内の獅子舞いも、それを見習ったものと思われ『三重県神社誌』による大村神社祭礼のところには「獅子神楽は宵宮夕方より各区獅子頭ずつ太鼓、笛にて練りつつ神前に詣り、神楽を奉奏す。翌例祭早朝より、其区の当屋を始め氏子各戸を巡舞す。これが奉仕は青年之に任ず」とある。

珍しいオスジシが舞う阿保東部の獅子神楽

 このように江戸中期から昭和20年代までは、各地区の青年によって盛大に舞われ、酒、肴とともに祭りの余興として、人びとに親しまれてきた獅子舞も、若い衆の不足で一時期衰微し、町内の祭りは寂しくなっていた。現在は16頭の獅子舞いが、それぞれの保存会によって復活され、11月3日に統一された町内各氏神の秋祭りに興趣をそえている。

     珍しいオスジシが舞う阿保東部の獅子神楽




昭和56年目次
7.伊勢参りの僧が再建した護国山天照寺 昭和56年1月号
8.阿保親王といわれる息速別名の墓 昭和56年2月号
9.寺と桜と滝とうたわれた名所の滝仙寺 昭和56年3月号
10.万葉の桜がしのばれる阿保山の桜 昭和56年4月号
11.小川内で発見された石器の原石 昭和56年5月号
12.奥鹿野で語りつがれた神穴伝説 昭和56年6月号
13.深瀬渓谷の隠れた名滝高尾観音瀑 昭和56年7月号
14.湯神楽の笹は水難除け水神まつり 昭和56年8月号
15.天正伊賀乱の緒戦地伊勢路掛田城 昭和56年9月号
16.青山最古の開拓地か羽根塚原遺跡 昭和56年10月号
17.秋まつりの伝統行事獅子舞い 昭和56年11月号
18.天狗の難所がトンネルに伊賀の中山 昭和56年12月号

目次昭和57年

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