腰山の氏神 飛龍神社
腰山の氏神 飛龍神社
平成4年2月号
腰山のほぼ中央の山腹にある。近郷では、聞きなれない社名である。創始年代は不詳であるが、明治までは熊野飛龍権現と称していたが、明治元年の神祗官達によって飛瀧神社と改称したとある。
区内の山神社を合祀し、明治41年境内社八柱神社と共に種生神社に合祀。昭和30年分祀、社殿を造営して旧地に復した。
この神社が種生神社に合祀した際、宮域の森を伐ったが大きな古木が沢山あったようである。古老の話では欅が枝下13m、幹周り5mを最高に11本。杉5m廻り2本その他同じ年代の杉18本、公孫樹(こうそんじゅ=イチョウ)5m廻り1本と驚く程沢山の大木があったようで、此の神社も相当古く現在でも参道や境内に、当時の面影をとどめる古株が数株残っている。
境内には延宝八庚申5月吉日(1680年)に寄進された石灯籠一対ほか、天和3年(1683年)以降江戸時代の棟札が多数保存されている。また、神社に隣接する神向寺が社務をつとめていたようである。
祭礼は秋祭の他に正月祭(1月15日)春祭(4月3日)とそれぞれ古式ゆたかに行われ、特に秋祭には、お祭りははっぴを着た子供らによる御輿巡行のほか祭典後の納会には御酒のあと、古い仕来りにしたがって作った美味しいお汁が振舞われている。
平成4年目次
137.高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡 平成4年1月号
138.腰山の氏神 飛龍神社 平成4年2月号
139.善福寺 平成4年3月号
140.特別天然記念物オオサンショウウオ 平成4年4月号
141.珍しい観音寺の石の地蔵堂 平成4年5月号
142.「敬叟禅師産塚(けいそうぜんじうぶづか)」 平成4年6月号
143.腰山の愛宕講 平成4年7月号
144.安保氏の屋敷跡か 桐ヶ谷城跡 平成4年8月号
145.血首の井戸 平成4年9月号
146.青山地蔵 平成4年10月号
147.阿弥陀さまとお花畑 平成4年11月号
148.経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所 平成4年12月号