絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡

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高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡

平成4年1月号

 高尾小学校から奥へ500m余り、青山美杉線の道路の両側に覆(おおい)いかぶさるように、断崖がせまってくる。その高さは100mもあろうか、柱状節理の岩盤が連なり、昔から“岩鼻”とも“庵山”とも呼ばれて来た。今は大部分が杉山となっているが、頂上付近は岩肌がむき出し、人をよせつけない絶壁となって、崩落した岩塊となり、木も育たず「メガネ山」とも呼ばれている。また山頂は「笛吹山」ともいわれ、その昔、藤原千方の四鬼が、見張り役として笛を吹いて合図したところという伝説がある。

 この山裾の少し開けた畑の中に、古い石垣が見える。高さ6m余り、城のような形をしているが古寺の跡といわれ「西方寺」の跡と伝えられている。

画像の説明

 しかし、「西方寺」、「西法寺」とも、伝承の寺名はどの古文書にも出ていない。

 どの時代に建てられ、廃絶したのか定かでなく謎に包まれた寺跡である。

 数年前までは畑であったが、今は荒れて、穴太積みのような石垣も寺跡も雑草が生い茂っている。寺跡は100坪ほどであるが、今も時折五輪塔の一部や石仏片が出てくる。

 各地の寺院が建てられた江戸初期以前のかなり古い廃寺跡が、「庵山」の地名のような「庵」の跡とも思われ、今後の調査、研究が期待される謎の寺跡である。




平成4年目次
137.高尾の庵山(いおやま)と西方寺の跡 平成4年1月号
138.腰山の氏神 飛龍神社 平成4年2月号
139.善福寺 平成4年3月号
140.特別天然記念物オオサンショウウオ 平成4年4月号
141.珍しい観音寺の石の地蔵堂 平成4年5月号
142.「敬叟禅師産塚(けいそうぜんじうぶづか)」 平成4年6月号
143.腰山の愛宕講 平成4年7月号
144.安保氏の屋敷跡か 桐ヶ谷城跡 平成4年8月号
145.血首の井戸 平成4年9月号
146.青山地蔵 平成4年10月号
147.阿弥陀さまとお花畑 平成4年11月号
148.経済と生活に貢献した中部電力阿保発電所 平成4年12月号

目次平成5年

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