絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

薬師さん

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薬師さん

昭和61年3月号

 霧生の丁度まんなか位に「瑠璃光山宝泉寺」ぞくに薬師さんと呼んで大変親しまれている寺跡(天照寺の末寺)がある。この寺跡には小さなお堂が再建されて中には本尊の薬師如来像のほかに日光菩薩像、月光菩薩像、如意輪観音像、それに阿弥陀如来像(この像は霧生鹿島神社の宮坊で廃寺神宮寺の本尊であったようでいつの時代にかこの宝泉寺に移されたものである)が安置されている。

 またこの小堂の傍らに寛政12年(1800年)の銘のある石仏子安地蔵と天保14年(1843年)の銘のある石仏弘法大師像が安置されている。

画像の説明

 「霧生村天照寺並末山由緒」(上野市広禅寺所蔵)によりますと「宝泉寺の開山は天照寺五世自心迎禅和尚で本堂は梁三間、桁五間、本尊薬師如来(伝行基菩薩作)と脇仏日光、月光両菩薩、十二神将新造」と記されている。

 天照寺第五世は元禄10年に没しているところから貞享~元禄(1684年~1697年)頃の創建であろうと思われる。天照寺の隠居寺とも言われ寺伝には天照寺二十三世禅苗秀道中興開山とあり、明治のはじめ廃寺となる。庭に立つと往時をしのぶかのように木立が静かにゆれ動き近所の人達によって、きれいに清掃された寺跡に、春を呼ぶ庭草の芽が動きだし枯草を焼く煙が夕やみを包むようにあたりをさまよっていた。




昭和61年目次
65.高原の守り神 古田の市杵島神社 昭和61年1月号
66.伊勢路善福寺と藤堂作兵衛奉納の観音様 昭和61年2月号
67.薬師さん 昭和61年3月号
68.阿保宮道筋の「かんせい」地蔵と薬師堂 昭和61年4月号
69.天満神社の“珍しい山の神々” 昭和61年5月号
70.正治権現(しょうじごんげん)さん 昭和61年6月号
71.伝説「千方の笛吹き石」 昭和61年7月号
72.信仰と散策の浄域十七明神社跡付近 昭和61年8月号
73.旧峠道に建つ高座子宝地蔵 昭和61年9月号
74.一本松の地蔵さん 昭和61年10月号
75.河川の神 弁天様 昭和61年11月号
76.幻の温泉郷も含むなつかしの阿保小唄 昭和61年12月号

目次昭和62年

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