絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

街道いま、むかし 国見~高尾への道

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街道いま、むかし 国見~高尾への道

平成7年1月号

 種生国見の兼好塚を訪れる人びとは、山里の美しい風景に魅せられますが、その国見の集落を通って高尾への道をたどることがあります。

 国見の集落の南東のはずれの三叉路には「右たかを、左さくば」と刻まれた江戸時代のものと思われる高さ約60cm余りの「道しるべ」が立っています。

画像の説明

 「右たかを」への道は、ここから600m余りで高尾の原池へと通じていますが幅2mほどの古道のままで、耕運機のトレーラーや木材運搬車がやっと通れる程度の急坂が続いています。

 「左さくば」道は、標高562mの国見山の西方の深い谷に築かれた「茶碗池」に通じており、西側には広々とした水田が広がっています。

 豊富な水と肥沃な土、伊賀を一望に見渡す風景は絵のように美しいものです。

 高尾への道は、「種生国見原池線」という町道に指定され、「右たかを」の道標まで改良が加えられ、兼好塚への観光には便利となっています。また、この道は江戸時代から明治にかけて、兼好塚や国見天王、老川如来に向かう信仰の最短ルートでああったと伝えられ、元禄11年(1698)芭蕉の高弟、服部土芳らの一行が兼好塚で歌会を催し、翌日この道を通って高尾の千方城窟に向かったともいわれています。

 観光と産業の道として、今後の改修が期待されます。




平成7年目次
173.街道いま、むかし 国見~高尾への道 平成7年1月号
174.青山高原 田代(たしろ)の今昔 平成7年2月号
175.福川地区の産土(うぶすな)神 八柱(やはしら)神社 平成7年3月号
176.二代目の阿保駅 近鉄・青山町駅の今昔 平成7年4月号
177.広域農道「千方(ちかた)橋」の完成 平成7年5月号
178.青山高原三角点 平成7年6月号
179.六郎別当(ろくろうべっとう) 平成7年7月号
180.近鉄・青山町駅付近 遺跡の発掘調査 平成7年8月号
181.兼好法師の恋ざんげ 平成7年9月号
182.勝地林道の今昔 平成7年10月号
183.諸木の産土(うぶすな)神 鹿島様 平成7年11月号
184.幻でなかった古塁砦の跡 平成7年12月号

目次平成8年

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