絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

諸木の産土(うぶすな)神 鹿島様

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諸木の産土(うぶすな)神 鹿島様

平成7年11月号

 諸木バス停から見える大きな銀杏の木の安楽寺を左に、やや急な坂道を登ると石灯籠が見えてくる。百年を経ているかのような杉の老木が社の周辺を覆っている。

画像の説明

 「創建年代不詳だが、古くから諸木村の産土神であった。明治41年に種生神社に合祀、昭和30年10月に分祀して現在地に復した。『永正6(1509)年11月6日』の棟札があったようだが、昭和8年安楽寺に預けてあったのが火災で焼失」と町史に書いている。

 参道に添って手水舎にある水舟には明治十年十月と寄進者の名が刻んである。少し細身の石の鳥居には「御宝前此内半分 村中 元禄十(1967)年丁丑(ひのとうし)二月吉祥日」と「奉寄進御宝前此内半分 平朝臣東氏武左衛門尉吉廣」と、石灯籠一対には「寄進◯長◯坊 元禄六(1694)年癸酉(みずのととり)三月吉日」と「灯器元禄五年八月吉日」とある。

 元禄年間は江戸時代で平和で華美に過ぎた時代でもあったようだが、元禄14年と15年の播州赤穂藩主の江戸城での事件や赤穂浪士の吉良邸討入事件など17年間の元禄時代に諸木の鹿島様の神社としての姿が整えられてきた時代でもあった。

 今年は式年造営の年に当たり、区民挙げて準備を進め、取材に訪れたときは神殿は鮮やかな朱色に塗り上げられ、境内の整備もほとんど終わり、あと手水舎の尾根葺きが工事中であった。御造営の式典は10月19日。




平成7年目次
173.街道いま、むかし 国見~高尾への道 平成7年1月号
174.青山高原 田代(たしろ)の今昔 平成7年2月号
175.福川地区の産土(うぶすな)神 八柱(やはしら)神社 平成7年3月号
176.二代目の阿保駅 近鉄・青山町駅の今昔 平成7年4月号
177.広域農道「千方(ちかた)橋」の完成 平成7年5月号
178.青山高原三角点 平成7年6月号
179.六郎別当(ろくろうべっとう) 平成7年7月号
180.近鉄・青山町駅付近 遺跡の発掘調査 平成7年8月号
181.兼好法師の恋ざんげ 平成7年9月号
182.勝地林道の今昔 平成7年10月号
183.諸木の産土(うぶすな)神 鹿島様 平成7年11月号
184.幻でなかった古塁砦の跡 平成7年12月号

目次平成8年

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