絶版になった旧青山町の「あおやま風土記」を紹介します

霊験あらたか小河内の金毘羅さん

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霊験あらたか小河内の金毘羅さん

昭和58年4月号

 阿保から高尾へ通じる青山三杉線の最大の難所、「こんぴらカーブ」は、歩く人もドライバーも極度の緊張の一瞬を感じます。

 かたや巨岩の絶壁が迫り、下には深瀬の激流が渦巻き、景趣に富んだところ、この山の上にまつられている金毘羅神社に詣でる人は数少ないようです。

 車を下りて参拝してみますと参道は新しい鳥居をくぐって、いきなり急な石段、手すりを頼りに、はうようにのぼりつめると巨岩の切り通しがあり、ここで一息入れてまた急な石段、苔むした石段をふみしめて上ると、脇石に「延宝8年奉建之小川内村」と刻まれており、少なくとも300年以前にまつられていることを示しています。

 巨岩を台座に老松に囲まれるように、一間四方の珍しい二重殿造りの金毘羅さんが、南を向いて厳かに鎮座されています。 

 神さびた境内の片隅には「正徳6年(1716年)奉建立竹矢○○○」と刻まれた「水舟」が古い歴史を物語っています。

 だれが供えたのか、新しい手拭が2・3本・・・・・・一願成就の祈りを秘めて風にそよいでいます。

画像の説明

 金毘羅さんは大物主命という神と、竜王という神を合祀し、雨乞い、航路安全、諸難救護の霊験あらたかとして、熱烈の尊崇を受け、讃岐の本宮を中心として全国に分祀され、青山町にも十社ほどまつられています。

 この小河内(おごち)の金比羅さんは、南の方からも参道があり、昔の高尾への街道から望む、南の巨岩景勝地を選んで奉祀したのでしょうか。

 霊験を信じ幾百年、信仰の伝統を守りつづけられた小河内の人々に敬意を表しながら、一度はお参りされてはいかがでしょうか。




昭和58年目次
29.幻の重要文化財羽根亀井家大邸宅 昭和58年1月号
30.青山町の北に眠る城氏朝妻堡 昭和58年2月号
31.伊勢の堺、伊賀齋王堺屋の祭祀場跡 昭和58年3月号
32.霊験あらたか小河内の金毘羅さん 昭和58年4月号
33.歴史散策の小道 阿保頓宮跡から七つ塚へ 昭和58年5月号
34.村の生活を守る境目塚 昭和58年6月号
35.堀抜水路と儀八翁 昭和58年7月号
36.滝の熊野三所神社 昭和58年8月号
37.阿保から老川如来さん参りの近道 八鉢道の今昔 昭和58年9月号
38.兼好ゆかりの薬師寺跡 昭和58年10月号
39.諸木の子安地蔵 昭和58年11月号
40.寿福の神さま下川原の弁天さん 昭和58年12月号

目次昭和59年

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